コンタックスG用に再設計された16mm/f8の超広角レンズであるホロゴンは、じつにエロティックな姿をしたレンズで、一目惚れの出会いでした。もともとヨルダンの石窟でアルマーニのファッション写真を撮るために購入したのですが、この企画は残念ながら実現せず、手元にはホロゴンが残ったのです。このレンズは撮影してみると、なだらかなグラデーションで周辺が落ちてゆく画像が、意識が遠のいていくような不思議な世界を作り出します。
ここに掲載している画像は、1999年春から2008年12月の期間にネガカラーで撮影したものです。2008年頃はデジタルが主流になってきて、信頼してプリントを任せていた現像所が次々となくなり、ホロゴンでの撮影を断念せざるを得ない状況になってしまいました。ホロゴンをデジタルカメラに装着するには、Mマウントに改造してライカM9に…という方法があるものの、周辺に色転びが起きるらしく、使える状況にはないようです。ホロゴンが使えるデジタルカメラの出現を祈りつつ、わがホロゴンはドライボックスの中で冬眠中です。